今月の寺宝

ここでは大覚寺に伝わります
絵画・文書類を中心に御紹介していきたいと思います。

後水尾天皇

ご愛用の褥(シトネ)



 今、NHKの大河ドラマで「江」を放送しています。江は後に徳川二代将軍秀忠に嫁ぎます。

大変子宝に恵まれた女性で、家光は三代将軍に、千姫は豊臣秀頼に、そして和子は後水尾天皇に嫁ぎます。

江にとって御水尾天皇は娘婿にあたります。江は初期の江戸幕府と朝廷を結ぶ、大事な橋渡し役でもあったのです。

 後水尾天皇ご愛用の褥が、菊の紋章入りの紫の幔幕とともに宝鏡寺の尼宮から大覚寺に寄進されたものです。

褥(しとね)というのは、今の座布団です。畳半分ほどの大きさで、20cmほどの赤地錦の縁(へり)を周囲に差し回し、菊の紋を刺繍した豪華な敷物です。

 本堂の内陣正面に掲げてある「鶴立山」の山号額は、寄進者である宝鏡寺の尼宮の筆になるものです。

(宝鏡寺は代々、内親王が出家されて入る尼門跡寺院です。今は人形寺として有名です)


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御水尾天皇の褥