大覚寺のご紹介

人生を健やかに生きていくための説法を
毎月、御紹介していきたいと思います。

2013年(平成25年)7月のミニミニ法話・お説教

2013年(平成25年)7月

玄禮和尚のお説法

2013年(平成25年)7月

~ 第064回 「星に願いを」 ~

  ささのはさらさら のきばにゆれる  おほしさまきらきら きんぎんすなご

 天の川の東に、天帝の娘の織姫が住んでいて、彼女の仕事は機織(はたおり)。朝から晩まで、たゆまず織っていました。

天の帝は、天の川の西に住む牽牛と結婚させます。結婚すると彼女はさっぱり機を織らなくなりました。父親は怒って二人を別れさせ、織姫を東に連れもどしま す。

ただ、年に一度、七月七日の夜だけは、川を渡って会うことを許しました。

現代流にいうと、織姫は琴座の「ベガ」。牽牛は鷲座の「アルタイル」。日本での七夕まつりは、この伝説を元にして中国の行事を取り入れたものです。

 中国ではこの夜、女性たちが七本の針に五色の糸を通して、庭に筵を敷いて机を出します。その上に、酒・魚・果物・菓子を並べて針仕事の上達を祈りまし た。

これが日本に伝わって、宮中の「節会」の一つになりました。この夜、庭に供物を並べ、笹竹に五色の短冊を飾りつけて、そして女の子の学問や技芸の上達を 願ったのです。

もともと、七夕まつりは女の子のお祭りだったのですね。

 永観堂では、6月の終りから釈迦堂の前の廊下に笹竹を取りつけ、短冊を用意して拝観に訪れた方々に願い事を一筆書いてもらい、笹に結びつけます。

ただ、願い事ならなんでもいい、というのではなく、東日本大震災の被災者への「励ましのメッセージ」を書いていただくようお願いしています。もうすでに数 十枚のメッセージが寄せられています。その中のいくつかを紹介しましょう。

「心がいやされますよう 笑顔がもどりますよう」
 「We  are  always  with  you」
「子どもたちの笑顔がいっぱいになりますように」
 「強く 明るく 逞しく」
「京都も東京も東北も、今年はみんないい気持ちで天の川が見れますように」

私も「祈復興 あきず あせらず あきらめず」と書いて笹に結びました。

日本語だけでなく、英語・中国語・フランス語など国際色豊かです。7日が過ぎると笹に結ばれた短冊を、外国語は翻訳してもらい、すべて東日本の被災地へ送 ります。

 天の川の両岸に光る二つの星を眺めながら、被災地の一日も早い復興を祈願します。

  五色のたんざく わたしがかいた お星さまきらきら 空から見てる


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