大覚寺のご紹介

人生を健やかに生きていくための説法を
毎月、御紹介していきたいと思います。

2015年(平成27年)9月のミニミニ法話・お説教

2015年(平成27年)9月

玄禮和尚のお説法

2015年(平成27年)9月

~ 第090回 「輝く【朗人】であれ」 ~

 今年の敬老の日は9月21日です。この敬老の日の発祥の地は兵庫県です。

終戦後間もない1947年。これからの日本は若い力に委ねるべきだという高齢者に推薦されて、当時40代の門脇政夫さんが八千代町の町長に選ばれ、町議会 に諮って「としよりの日」を制定。

やがて、県会議員になった門脇さんの発議で兵庫県で始めて「老人の日」が制定されたのですが、「名前が良くない」と反対したのが他ならぬ老人達でした。

そこで「敬老の日」と改められ、やがて1966年に国民の祝日になりました。

 精神科医の斎藤茂太さんが、いくつになっても若さを失わない秘訣として「イ・カ・ニ・マ・ス」を提唱しています。

①イ---異性に関心を持つこと。まずこれが第一ですね。
②カ---カラオケ。声を出して歌うと心のわだかまりが消えて気持ちが晴れます。
③ニ---日記をつける。簡単でいい、毎日メモ程度にちょっと手帳に書くだけでいい。

④マ---街着。タウンウエア。出かける時、ちょっと流行にも気を配って、ネクタイの色を自分で選ぶ。老人が「年寄り臭く」なってはいけませんね。いつま でもおしゃれ心を失わないこと。むしろ年をとってからこそ身ぎれいにしなければならない。

⑤ス---スポーツ。柔軟体操でもいい。家の周りを少し散歩するだけでもいい。要は体を動かすことです。

この五つに加えて、大事なのはテレビよりも活字に親しむこと。つまり、本や新聞をよく読むのも積極的な頭の体操になります。

その上、いろんな集まりにはできるだけ出席して、人に会って新しい情報に接することが心を若返らせると言われています。

 では、釈尊は「老い」についてどのように考えておられるでしょうか。

法句経に、「頭(こうべ)白しといえど このことによりてのみ 彼は長老(おさ)たらず。彼の齢(よわい)よし熟したりとも これ空しく老いたる人とのみ  呼ばれん」と説かれています。

つまり、いかに長生きしても髪が真っ白になっても、ただブラブラと毎日を過ごしているなら、それは空しく老いたる人に過ぎないのだ。

たとえ身体は老いて不自由でも、病んでいても、豊かな心を備えているなら、空しくない輝く老人と呼ばれるであろう、との教えなのです。

 輝く老人、いや「輝く朗人」であれ。

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